令和5年5月定例句会
兼題「清和」
気候が清らかで穏やかなことで、旧暦四月の時候をいう。中国では旧暦四月一日を清和節といった。
(合本俳句歳時記第四版より)
GW後半は雨模様。少し激しく降ったところもありました。
兼題の「清和」は、普段の生活では使わない言葉で、実体も無いため、苦労しました。
歳時記の例句も少なく、どんな言葉と合わせると効果的か、考えがいのある言葉でした。
広島ランブル俳句会は、毎月第1日曜を定例句会と設定しています。
そのため、季節の変わり目(立春、立夏、立秋、立冬)の時期と重なりやすい状況にあります。
一方、句会の基本は「当季」。その季節の句を持ち寄るのが原則です。ただ、旧暦は、現代の感覚よりも、だいたい1ヶ月ほど早いため、身の回りにある季語とのずれが生じてきます。
このあたりのことを厳密にしようとすると大変ですので、ある程度大まかに「前の句会からのひと月間」の季節感で句作りをすればよいのでは、と考えています。

(なお主宰の句はサッカー場だったとのこと…)
主宰の句
清和かな風負うて入るスタジアム 日差子
主宰特選句
濡れてゐる嬰の睫毛や目借時 新治
本立てに倚らぬ図鑑や五月来る 新治
縁側に子の足四つ鯉のぼり 苦楽
互選高得点句
立夏かな自由自在に漕ぐサップ 英子
母の日やいつも手元に鯨尺 英子
青芝やピカソの呼吸迫りくる 英子
その他のメンバーの句
島渡船手を振り合ふも清和かな 晶子
ライラック咲きしと伝ふ風にあふ 千惠子
半額のジーンズは白風五月 あつ子
白ばかり干され清和の港町 瑞憲
襟足の青き少女や夏めきぬ 裕之
春雨やコピー機の音鳴り止まず 明恵
清和かな畑の草とる百二歳 康明
皐月雨聞くや刺繍の手を休め 瑠美子
警視庁広島警備五月晴 五郎
糸柳くぐりて京の踊り見に 孝女
清和かな朱色車両の待ち合はせ 奈央子