令和5年9月吟行

~似島に渡る~

 暑さ寒さも彼岸までと言われますが、広島は今日も30度越えです。ただ、空の感じは、だいぶ秋の格好になってきました。

 広島湾から程近く見える似島は、安芸の小富士と呼ばれるように、その美しい姿で親しまれています。ふだんは波の向こうに望むばかりですが、今回は船で渡ってみることとしました。
 広島港から似島桟橋までは20分ほど。着くとすぐにたくさんの釣り人が見えました。今はカワハギが狙えるとのこと。
 
 13時までは自由行動とし、それぞれ島を散策することとなりました。少し早く入島して登頂に挑んだ人、レンタサイクルで島を一周した人、路地を抜けて島の反対側まで足を伸ばした人、…。市街地の喧騒から離れて、潮風の中、非日常を感じられました。どなたかが「一番近い海外旅行」と言っていましたが、確かに、海の外、ではありますね笑

 句会場の似島公民館はオーシャンビュー。よく晴れた空に広島市街がよく見えました。
 

 俳句が生まれる瞬間に立ち会うことができるのが「吟行」です。初心者の方には特に、吟行への参加をお勧めしたいと思っています。
 日常を離れてちょっとだけ遠出して詩作に耽る「大人の遠足」に、参加してみませんか。

・ウェルカム似島
 https://ninoshima.com/
・似島公民館
 http://www.cf.city.hiroshima.jp/ninoshima-k/

人慣れした猫が出迎えてくれました

秋澄むや風に微睡む島の猫      新治
秋高し初吟行は舟にのり       英子
島山の風の青さや天高し       裕之
秋うららカワハギ釣れてまた釣れて  苦楽
行合の空や彷徨ふ秋の蝶       晶子
郵便箱の壁に浮き輪や秋の島     孝女
似島や猫の出迎へ白き風       瑠美子
さやけくて浜辺に一句置き忘れ    あつ子
秋分の昭和の街に安芸小富士     五郎
ちぎれ雲泳がせ九月瀬戸内海     千惠子
安芸小富士ドイツの秋を纏ひけり   奈央子
秋風や句友の笑顔久しかろ      はるか

2023/9/24