令和5年10月吟行

~安佐北区深川~

 広島市内にも、こんな景色が残っていたんですね、とは参加したあるメンバーの言葉。

 今回は安佐北区深川が吟行地です。山あり、川あり、田んぼあり。ちょうど稲刈りが行われる頃で、あちこちで刈田や稲架といったこの時期らしい季語と出会えました。
 新米が美味しい季節ですので、お昼は炊き立てを皆でおにぎりに(私は少し食べ過ぎてしまいました)。

 朝晩はぐっと冷え込むようになりました。実りの秋は、足早に過ぎて行ってしまうのかも。冬が来る前に、美しい秋、美味しい秋をしっかり堪能しておきたいと思います。
 

 俳句が生まれる瞬間に立ち会うことができるのが「吟行」です。初心者の方には特に、吟行への参加をお勧めしたいと思っています。
 日常を離れてちょっとだけ遠出して詩作に耽る「大人の遠足」に、参加してみませんか。

稲刈りを終えた新藁の香りが漂います

陽も風も自由に遊ぶ刈田かな   英子
晴天や深川の風を囃す稲架    新治
新米と漂ふ木の香幸満つる    千惠子
天つ日に匂ひただよふ刈田かな  晶子
稲刈りて新藁の香の薫りくる   康明
新米をむすぶ新居のダイニング  明恵
稲架干しや農夫の顔の笑ひ皺   苦楽
藁たばね三角に干す刈田かな   孝女
鳶鴉最後に雀来る刈田      裕之
汽車に揺れ深川の里に秋日和   奈央子
刈穂田や新居に笑みと幸溢れ   瑠美子
句友宅集ふ時間も秋深し     はるか

2023/10/22