令和6年2月定例句会

兼題「広」

この字が入っていればOK。
「広し」と形容詞で使っても、「幅広」「末広」のように熟語にしても、「広重」みたいに固有名詞にしてもOK。

今回の兼題は季語ではなく、文字を読み込むこととなりました。
別に季語を持ってくることになるので、いつもより多彩な句が集まったように思います。
そうゆう使い方もあったか!という驚きも楽しみの一つです。


今回は「季重なり」の句が多かったように思います。

冬から春への変わり目の時期ということで、どちらの季節のものも目にする機会が多かったということもあるかもしれません。

季語を重ねることに必然性があれば良いのですが、うっかり、ということであれば、せっかくの作品の瑕になりかねず。

幸い俳句は短いので、一句の中に使われている語(自立語)はせいぜい3~5程度。一語一語を大切に、歳時記で確かめたいものですね。

色んな広が集まりました

主宰の句

末広に伸びゆく雲や寒明くる  日差子

主宰特選句

広げても広げても白白鳥来  奈央子

雪暗の郵便受けの文重し   英子

寒禽の風割く声や朝まだき  奈央子

互選高得点句

鶏舎より両手に包み寒卵   孝女

何事も無きが吉日春まぢか  あつ子

その他のメンバーの句

春月やぼつたり重き広辞苑     裕之
手を伸ばし鳩を追ふ吾子春そこに  苦楽
広目天の遠まなざしや日脚伸ぶ   晶子
著き灯が弥山にひとつ寒夕焼    新治
広島菜くるむおにぎり筋白し    康次
広やかや杮落としのサッカー場   康明
真つ白な嘘真つ白でなき白鳥    瑞憲
雪しまく偶に樹の声風の声     千惠子
どんど焼焔も夢も舞ひ上がれ    瑠美子
餅一つ足して膨らむ胃袋や     五郎
珈琲の残るベンチや日脚伸ぶ    明恵

2024/2/4