令和6年3月定例句会

兼題「春菊」

キク科の一年草で、葉を食用にする他、花は観賞用にもなる。地中海地方原産で、日本には江戸時代ごろに伝わったとみられる。葉は菊に似て、葉縁に鋸歯がある。黄または白の頭花を開く。葉の独特の芳香と苦味が好まれ、浸し物や鍋料理には欠かせない野菜となっている。
(合本俳句歳時記第四版より)

今回の兼題は「春菊」。菊菜とも言います。
食べ物として詠むか、植物として詠むか、季語の本意を捉えると後者なのかとも思いましたが、身近なのは、やはり食材としての姿です。
投句も、料理の見た目や香り、味を詠んだ句が多かったようです。
ちなみに私が好きなのは白和え。濃い緑と豆腐の白がよく映えて綺麗です。


普段は夏雲システム上で参加してくれているメンバーが対面参加してくれました。
その場の空気感とか、表情とかを読み取って、リアルタイムに瞬時に意見交換できるのは、WEBにはない大きな利点だと、改めて感じました。

みんなで句を推敲
いろんな意見が挙がってきました

主宰の句

地中海生まれ春菊その青も  日差子

主宰特選句

春水のまたたき返す日差しかな  晶子

かぐはしき苦みは恋も春菊も   晶子

鳶高く縮景園の春立ちぬ     康明

互選高得点句

大伽藍瓦の日差しどこか春  英子

満開を予約しました梅日和  あつ子

春風は出入り自由や冠木門  あつ子

その他のメンバーの句

合掌を崩さぬひとり針供養    瑞憲
麗かや天津飯の艶めきて     奈央子
足裏に大地の春を確かむる    苦楽
石鹸玉映る此の世は虹の色    裕之
菜の花やそつぽ向く子の頰の赤  明恵
初音かな遅延つづきの道普請   新治
冴返る杉の木立の剣立てて    千惠子
病室の窓開けそつと鬼は外    千都子
ふらここや一人遊びの上手な子  恵実
フルートの音に晴れたり春愁   啓子
転作や苗田は麦と飼料米     五郎
春菊や夫の育てしその緑     瑠美子
欧州より来し春菊にある香気   孝女
春菊の香りさやかな道しるべ   はるか

2024/3/3