令和6年6月定例句会
兼題「黴」
食物・衣類・住居などに生える青黴・黒黴などをいう。梅雨の湿度と温度により、発生しやすい。種類が多く、なかには麴黴など有用なものもある。
(合本俳句歳時記第四版より)
今回の兼題は「黴」。
季節感はありますが、どちらかといえば、避けたい、見たくないもの。
こんなものでも堂々と歳時記に載っているのが面白いと思います。
ただ、投句一覧に「黴」の字がたくさん並ぶと、ちょっと異様な雰囲気…

字の姿もどこかカビっぽい…
主宰の句
聖書繰る黴に声あり言葉あり 日差子
主宰特選句
瀬の音やじつと鮎待つ竿の先 あつ子
卯浪たつ灯台が見え瀬戸が見え 千恵子
どう見ても黴といふ字の頑固かな 英子
互選高得点句
山寺を護る仁王の肩の黴 千都子
鰹焼く猛火を素手に宥めつつ 瑞憲
その他のメンバーの句
捨てたくて捨てられなくて黴の靴 啓子
まくなぎを払ふことなき農夫かな 奈央子
アルバムに戻る青春黴の書庫 苦楽
夕焼やことこと過ぐるシニアカー 明恵
トトロゐるやうな大樟若葉雨 みなみ
もう履かぬ黒革靴の黴拭ふ 裕之
つけまつげ女神輿の心意気 恵実
水性ペン推しの上司や六月来 新治
恋なのね隣る二匹の蝸牛 孝女
新茶汲み赤福餅の二つ三つ 晶子
木漏れ日の縞の彩り尾根涼し 康明
路地曲がる溢るる夏の夕ごころ 瑠美子
梅雨きざす足縺るるも気力出し 五郎
2024/6/2
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