令和6年7月定例句会

兼題「白靴」

夏は白い靴を履くことが多い。昔は男性も白い革やメッシュの靴を履いた。
(合本俳句歳時記第四版より)

今回の兼題は「白靴」。

夏用の白靴には涼気があります。
白靴を履いて暑さを忘れる…とはなりませんが、真っ白な靴を履いたり、また履いている人を見ると、どこか涼しさを感じますね。

今回は、白靴=旅、という連想が多かったように思いますが、海外の島であったり、はたまた近所の買い物であったり、シチュエーションは様々でした。

見学の方が1名来られて、選評に加わっていただきました。
自分一人では気づけなかったものの見方・考え方に触れられるのも句会の魅力だと思います。

主宰の句

白靴や海までの道真つ直ぐに  日差子

主宰特選句

夏のれん風といふ字を二つ割     英子

背中から眠りに落つる半夏雨     明恵

赤紫蘇のわらわらわらと売られをり  新治

互選高得点句

白靴や赤きネイルの足を入れ   奈央子

山陰の本気の闇や青葉木菟    新治

その他のメンバーの句

白靴のサンバに跳ねて駅ピアノ   裕之
白靴や水脈に名残りのカプリ島   苦楽
全集を売つて涼しき書棚かな    あつ子
植ゑ終へて植田はすでに空のもの  瑞憲
白靴や旅と呼ぶには近き場所    啓子
寂しきは重ねて淡き水中花     千惠子
白雨去りアガパンサスは宝石に   みなみ
夏空や丘の大樹に小さき我     恵実
片恋のはにかみとけぬ額の花    晶子
可惜夜の島を眠らせ夏の月     千都子
富太郎も来しとふ湿地菖蒲咲く   孝女
六月は我が生まれ月好きな月    瑠美子
白靴の踵を踏みて子の帰宅     康明
元気よし畝に青青芋の苗      五郎

2024/7/7