令和6年9月吟行

~廿日市逍遥~

 目的地になることは、あまりない(失礼)廿日市駅。
 降りてみると、駅舎に木の香りが漂います。
 木材の街、廿日市をPRするため自由通路の天井に小屋組みが設置されているとのことでした。

 まず、駅北の洞雲寺にお参りします。
 1487年創建の曹洞宗のお寺です。
 このあたりは今では綺麗な駅ビルやマンションが建ち、大きな道路が通っていますが、少し前までは田畑が広がるところだったようです。 
 寺領の奥には戦国武将の墓も並びます。

 つづいて駅南の廿日市天満宮へ。
 街並みの中にぽつんと小高い丘があるので目立ちます。おそらく、昔々は岩礁だったのではないでしょうか。
 急な階段を登ると風の吹き方が地上とは違うように感じられ、見晴らしもよく、爽快な場所でした。 

 ランチは再び洞雲寺の方へ戻り、隣接するT’Z CAFEさんへ。句会もさせていただきました。

 雨の予報もあったので少し心配しましたが、降る前にいろいろ廻れました。
 洞雲寺では年2回、にぎやかなマルシェも開催されているそう。再訪したい場所のひとつになりました。
 

 俳句が生まれる瞬間に立ち会うことができるのが「吟行」です。初心者の方には特に、吟行への参加をお勧めしたいと思っています。
 日常を離れてちょっとだけ遠出して詩作に耽る「大人の遠足」に、参加してみませんか。

暑さの中に秋の匂いも

首塚へつづく暗がり葛の花  新治
千年の楠の葉擦れや涼の秋  千都子
山の秋眉なめらかに六地蔵  明恵
なで仏の全身なづる秋の風  あつ子
山門に示寂の札や秋の蝶   裕之
秋風に弥山眺めの天満宮   五郎

2024/9/21