令和6年12月定例句会

兼題「手袋」

防寒・保温のために手指を覆うもの。布・皮革・毛糸製がある。

(合本俳句歳時記第四版より)

早いもので広島ランブル俳句会の令和6年の句会納め。
十二月に入って、ようやく少しずつ寒さの質が変わってきているように感じます。
体調を崩しやすい時期ですが、たくさん集まって、句会ができました。

新聞や雑誌への投句も、もちろん楽しいものですが、対面で集まって意見をぶつけ合える「句会」は、もっともっと楽しいもの。
人間それぞれに曲げられない背骨のような信念があって、同じものを見ても捉え方が違って面白い。衝突することも多いのですが、ときどき意見がぴたりと一致したりして、それもまた面白い。
この魅力を何とか見えるように、知ってもらえるように、発信していきたいと思っています。
定型文ですが、百聞は一見にしかず、というのは本当です!


句会後は、次年度の係決め等を済ませて、有志で忘年会へ。賑やかに一年を締めくくりました。

手袋は防寒のためのもの、というのが本意
忘年会は駅のガード下で(加工しています)

主宰の句

手袋の指先だけが知る想ひ  日差子

主宰特選句

「さむいね」に返り言なき寒さかな  あつ子

敗蓮のこれ以上なき強さかな     千恵子

鬼ごつこ手袋のままじやんけんぽん  恵実

互選高得点句

寒灯のもと点滴を連れ歩く    千恵子

冬銀河アトムを連れて詩人逝く  みなみ

会釈にも笑顔添へたり冬すみれ  苦楽

その他のメンバーの句

手袋を取れど悪筆治まらず    ⑦パパ
マフラーの赤を見送る船出かな  新治
紙垂くべて一際高き焚火の穂   瑞憲
花八手かそけき光まとひけり   裕之
風を聞く釣り人の黙冬鷗     晶子
まだ見えぬ歓びのため日記買ふ  琴美
大空へモダンアートとなる枯木  英子
太陽のひかりの甘さ冬林檎    明恵
記念日も五十四回みかん剝く   瑠美子
冬夕焼赤ちやうちんの路地暗し  千都子
冬浅し元気かと見るビルの窓   五郎
冬麗や声はつきりと読む社説   孝女
手袋のまま抱きあぐる子犬かな  啓子

2024/12/1