令和7年7月定例句会
兼題「蚊」
カ科の昆虫の総称。雌には吸血性があり、なかには伝染病を媒介するものもある。一団になって飛んでいることを蚊柱という。
(合本俳句歳時記第四版より)
少しぐらいなら血を分けてあげないことはないけれど、その後に痒みが出たり腫れたりするのが厄介者です。
美しいもの、美味しいもの、珍しいものばかりが季語ではないことの好例のひとつかと思います。
また、一音の季語は十七音の中での自由度が高すぎて、却って扱うのが難しいことが、取り組んでみてよく分かりました。
ちなみに、蚊帳とか蚊取線香の方が読みやすそうですが、歳時記上はそれらは別の季語になっています。

「ぶーん」と飛ぶから虫偏に文だとか
主宰の句
蚊を打つや通天橋の只中に 日差子
主宰特選句
湯に冷ます祭の後の肩の熱 瑞憲
夕涼や水を巻き取る犬の舌 新治
鮎釣の一服の巌定まらず 新治
互選高得点句
一匹の蚊を伴ひて客来る 香代子
ででむしや倦まず弛まず争はず あつ子
何もかも母と半分西瓜買ふ 啓子
シンプルに生きていきます冷奴 香代子
その他のメンバーの句
すり足の女形涼しきそびらかな 晶子
病葉や心の隅に二三枚 英子
うす紅の翼果に染まる若楓 裕之
バースデーケーキの予約夏の雲 明恵
短夜や秀野の句集閉ざし得ず 苦楽
蚊を打つも少し躊躇ふこの齢 瑠美子
金魚掬ふ袂濡れつつ恋に落ち みなみ
夏座敷降り始めたる雨の音 千都子
夏の月シンドバッドの剣ひかる 恵実
夜光虫波のゆりかごたゆたへり 三穂子
ああ見えて好々爺らしアロハシャツ ⑦パパ
大輪の泰山木の花薫る 康明
風の間に日傘をあげて仰ぐ青 琴美
紫蘭咲きルーペで出合ふ神の業 孝女
空梅雨や野菜市場に張りの声 五郎
2025/7/6
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