令和3年10月定例句会

兼題「名月」

旧暦八月十五日の月である。一年中でこの月が最も澄んで美しいとされる。秋草や虫の音、夜露や秋風など、風物のたたずまいが一層月を明澄にする。穂芒を挿し、月見団子や新芋などその年の初物を供えて月をまつるのは、収穫を祈る農耕儀礼の遺風である。
(合本俳句歳時記第四版より)

久しぶりに対面での句会となりました。

感染対策として

・ドアを開放・窓を開放
・席の間隔を広くとる
・なるべく向かい合わせに座らない
・マスクを外さない

等を徹底して行っています。

マスクをしていると笑顔が半分隠れてしまうので、この写真だと楽しそうに見えないのが残念ですが、実際には笑いが絶えない3時間です。
雲間の名月
広島市安佐南区某所

主宰の句

月今宵雲の翼をしたがへて  日差子

主宰特選句

空もまた手付かずのまま野分跡   千恵子

寄り添うてされどそれぞれ秋の草  孝女

古地図めくトーストの焦げ秋の朝  新治

互選高得点句

マカロンを供へ令和の月見かな     啓子

秋を病むラファエルといふ薔薇ふふみ  晶子

その他のメンバーの句

芒野の落暉絮毛は空求め     苦楽
厨から柚子の香弾け喜寿の膳   あつ子
新蕎麦の幟はためく峠茶屋    瑠美子
星の名を冠して透きとほる新酒  瑞憲
爽やかや深入山の尾根遥か    奈央子
名月やそぞろ歩きの道ひとつ   京子
年若き友人得たり実むらさき   蓮女
名月や雲の捌けたる武田山    はるか
徒然に帰る車窓の今日の月    五郎

2021/10/2