令和4年1月定例句会

兼題「おでん」

豆腐を串に刺して味噌をつけてあぶった味噌田楽の田に「お」をつけたもので、後にその変形である煮込み田楽をおでんというようになった。江戸で作られたらしく、関西では「関東煮」と称する。芋・蒟蒻・大根・はんぺん・竹輪などの種を煮込む。かつては田楽には菜飯、おでんには茶飯がつきものとされていた。
(合本俳句歳時記第四版より)

変異を続けるウイルスの再拡大の影響により、急遽、対面での句会は取りやめとしました。
せっかくの初句会、晴れ晴れとした気持ちで御慶を交わしつつ、一年の健吟を願って元気よくスタートを切りたかったところでしたが、仕方がありません。

しかし、こういうときでも、あらかじめ集句を「夏雲システム」で行っていると、選句やコメント、集計、結果発表までスムーズに行えますので、本当にありがたいです。


これからも、顔を合わせての句会で議論を重ねることを第一選択肢にしながらも、オンラインを活用して、また、新しい仕組みも柔軟に取り入れながら、決してストップすることなく、句会を続けていければと思います。


令和4年も、楽しみながら、ときには迷いながら、俳句に親しんでいきたいと思います。

静岡のおでん屋さん
黒はんぺんが特徴。青のりや出汁粉をかけて食べます
「夏雲システム」の画面をチラ見せ。大変便利なツール

主宰の句

横丁の袋小路やおでん酒  日差子

主宰特選句

侘助の落ちて調ふ築地かな   あつ子

御降りや稲佐の浜の空割れて  晶子

おでん酒寡黙な男演じたり   瑞憲

互選高得点句

始まりの姿と思ふ枯木立      啓子

ふた年のあはひ揺るがせ除夜の鐘  苦楽

満州を語りし父のおでん酒     瑠美子

白菜を抱へ我を知る重さかな    蓮女

その他のメンバーの句

新春や讃岐の空の裾広し      奈央子
船一艘ただ一艘の冬の海      康明
乗初や瀬戸を右手に松山へ     新治
無住寺の屋根を滑りぬ寒夕焼    千惠子
雪の街地底の罪を踏んで行く    邦枝
おでん鍋上戸なら尚たのしかろ   孝女
正面の山に手合はす初日の出    孝子
湯気ほのか真ん中に座すおでん鍋  はるか
酒美味し声高らかに初笑ひ     五郎

2022/1/8