令和4年6月吟行

~海田町散策~

 広島市のおとなり、海田町に出かけました。
 
 ガイドさんの案内で海田市駅を出発。江戸時代からの町並みの変遷の説明を聞きながら、胡神社・荒神社、一里塚跡、明顕寺、三宅家住宅、海田恵比寿神社、御茶屋跡、熊野神社を巡りました。熊野神社(扁額には「新宮」と掲げられている)では、普段は見ることができない三十六歌仙の絵馬等、貴重なものを見せていただきました。

 続いて訪ねた「織田幹雄スクエア(海田公民館と織田幹雄記念館の複合施設)」は2020年春オープンの綺麗な施設。織田幹雄の樹立した記録の数々を体感できる展示がたくさんあります。

 また、織田幹雄スクエアに隣接する旧千葉家住宅は、1774年の建築で県の重要文化財。蚊帳、蚊取、簾戸(すど)等、夏仕様に調えられていました。お庭は名勝になっていて、夏萩、梔子、半夏生草等が見られました。

 街巡りをひととおり終えたところで雷鳴と驟雨。梅雨最中らしい吟行となりました。


 俳句が生まれる瞬間に立ち会うことができるのが「吟行」です。初心者の方には特に、吟行への参加をお勧めしたいと思っています。
 日常を離れてちょっとだけ遠出して詩作に耽る「大人の遠足」に、参加してみませんか。

ガイドさんの案内で約2時間の街歩き

袖壁の青の涼しく剝がれをり    新治
(織田幹雄)
五輪へとシベリア経由雲の峰    晶子
駒止めは旧家の証さみだるる    あつ子
街道に木の電柱や片かげり     奈央子
袖壁も街の飾りや梅雨の空     苦楽
夏館今も振り子は右左       瑠美子
青梅雨や観音様の指やさし     明恵
千葉旧居の格式光る梅雨の部屋   千惠子
雨前に「千葉家」池庭半夏生    五郎
トタン屋根打つ音高く夏至あした  康明
一世紀前の幹雄や雲の峰      孝女

2022/6/25