令和4年8月定例句会
兼題「秋扇」
秋になっても扇や団扇はしばらく使用される。使うこともまれになったものが置かれたままになっているのが、「捨扇」「捨団扇」で、何となく侘しい。
(合本俳句歳時記第四版より)
ちょうど立秋の日の句会となりました。
月例の句会では、前の句会日から今回の句会日までの1か月間が句作の期間となります。
ですので、今回も半分以上は夏の句が出されていましたが、兼題の秋扇も含めて、やや秋に寄った雰囲気の句もありました。
旧暦と新暦のギャップに惑うこともありますが、非日常感を味わえて、私は、このルール、結構好きです。皆さんはいかがでしょうか。
句会後は、主宰の句の鑑賞会を行いました。
句から見えてくる作者の表情や、お手本にしたい表現、漢字表記の発見等、皆で読むことで得られる気付きが新鮮でした。
毎月届く結社誌、大いに活用していきたいと思います。
また、終了後は今後の会運営の方針等について話し合いました。守るべきところ、変えるべきところ、様々な意見が挙げられました。
これまで築いてこられた広島ランブルの句座の空気を濁すことなく、一方で少しずつ換気も行いながら、より心地よい形にしていければと思っております。


主宰の句
山門を出て秋扇を荒使ひ 日差子
主宰特選句
この一句あたためてをり秋扇 晶子
そこらぢゆう重し海水浴の帰路 新治
水切りの波紋三つ目からは秋 瑞憲
互選高得点句
カンナ燃ゆ地球に眠る不発弾 晶子
多言語の飛び交ふ被爆ドーム夏 晶子
その他のメンバーの句
秋めくやカフェの金色カトラリー 奈央子
ちんぐるまケルンの君に逢ひにゆく 雄彦
夏館照明展の灯の雫 千惠子
秋扇別れ話をそれとなく 苦楽
原爆忌鯛の目玉も食ぶる祖父 明恵
露草や九十二歳の朝散歩 康明
確保せる君の座席に秋扇 あつ子
旅の夜祇園囃子の届く宿 孝女
病室の卓に置かれし秋扇 瑠美子
何時からかタンスに眠る水着かな はるか
深爪のかすかな痛み秋扇 啓子