令和5年2月定例句会
兼題「入学試験」
高校・大学などの入学試験は二月から三月にかけて実施される。
(合本俳句歳時記第四版より)
ちょうど立春。暦の上では今日から春です。
兼題の「入学試験」。
そのままだと「にゅ・う・が・く・し・け・ん」と7音あるので、なかなか扱いにくい。
受験子(じゅ・け・ん・し)や入試(にゅ・う・し)等の傍題は比較的使いやすいですね。
(どうでもよいことですが、上記の歳時記の解説、かなり素っ気ないですね。編集者の思い入れが浅いのか、あるいは苦い思い出があるのか、いろいろ想像してしまいました)
今回は、司会者から、選ばなかった方に、「採らなかった理由」を尋ねてみる、という試みがなされました。
マイナス意見は、どうしても耳に痛いですが、なるほど、という言葉が聞ければ確実に学びになる。
褒めるばかりでなく、高めあえるような場になって、良い取り組みだなと感じました。

主宰の句
受験期や禽声高く競ひ合ひ 日差子
主宰特選句
ぶらんこを漕ぐたび風のうまれたて 明恵
臘梅や夜のしじまに灯る香 奈央子
もはやもはや身の一部なり冬帽子 千惠子
互選高得点句
受験終へ髪留めのゴムゆるめけり 奈央子
古民家の塀の崩れや花辛夷 苦楽
鰆かなテグスに春といふ重み 瑞憲
その他のメンバーの句
パフェ囲む入学試験後の二人 新治
身のうちのドアの鍵あけ春を待つ 瑠美子
立春大吉句座賑やかに真剣に あつ子
ぢやあと言ひ入学試験臨む子よ 裕之
あの夜の父に詫びたし鳥雲に 晶子
門先の蕾ぎつしり花椿 はるか
雑木伐り天筒抜けに冬の果 五郎
誕生日耳まで被る冬帽子 康明
入学試験待つ母四つ葉探しをり 孝女
交通公園歩を進め春を待つ 英子
春隣猫は猫背をのばしをり 啓子