作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句令和5年

一月  水泡みな水の緑児秋澄めり     干場紫葉
二月  冬の講堂闘争の日を遠く      今野好江
三月  枯山を統ぶる一瀑ありにけり    江上マノ
四月  淑気満つこの吉原の左富士     吉井 仁
五月  ありて無きものや風花手に受けて  北澤益子
六月  百年を枝垂れ尽くして初桜     浅田季祐
七月  鷹鳩と化して園児に追はれけり   中山夢酔
八月  一点をなほざりにして破れ傘    林 京子
九月  雪嶺のかがやきに似て山法師    柳四斗樽
十月  青空は涙の色よ毛虫焼く      いなさ湖六
十一月 青空のごと澄み渡る冷酒かな    饗庭奈央子
十二月 花の死もその懐に大花野      大山知佳歩