作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成10年

(平成十年三月創刊)
三月  狐火の消えて鳴り出しさうな星    篝ゆう子
四月  肩冷えてあかつき覚むる久女の忌   守田和子
五月  水仙花やさしさゆゑに枷を負ひ    斎藤瑛子
六月  朧夜や他家の灯ともる生誕地     高田誠司
七月  眦に泪の残る春の夢         桑原康郎
八月  セルを着て日の目風の目やさしかり  日向佳世
九月  やつれたり蛇の噂の道を来て     満田たけを
十月  星たちのなべて座につく涼しさよ   鈴木正夫
十一月 旅の身を湯宿に舫ふ天の川      向田あすか
十二月 地蔵堂入れて十戸や峡の秋      山本菊雄