作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成11年

一月  ふるさとに亡き師の山河秋深     西村てる子
二月  影といふ影を倒せり冬茜       金澤見鶴
三月  手に触るるものみないとし聖夜の灯  中島喜久子
四月  曳く綱につぎつぎ白き鱈の腹     猪股凡生
五月  一日を辞書と遊びぬ西行忌      山本きみ枝
六月  よろこびに逢ふべく地虫出でにけり  高橋松月
七月  竜宮城よりの便りのさくら貝     山本 忍
八月  つぶやきのすぐ風に乗る青野かな   小野博子
九月  青梅の初々しさを拾ひけり      桜田貞子
十月  紛れなく子燕と見し風の中      坂本菊江
十一月 子の幸の中にわれ居る夜涼かな    田中よし
十二月 約束にあしたかがやく酔芙蓉     勝野八重子