作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成18年

一月  飛び込んで来し蟋蟀のあわて顔   牧 多恵
二月  白鳥の啼く声星を殖やしけり    高橋松月
三月  竜の玉ひとつふたつは神のもの   田中純子
四月  わが美田大雪原に預けおく     久和原賢
五月  一本の道の華やぐ春祭       重山陽子
六月  鶴帰る時を同じに母逝けり     藤井順子
七月  花の雲千の石仏直立す       仲川 昱
八月  平家邑泣くまじく泣く滝の音    望月ゆり子
九月  蚕豆の笑まふがごとくゆであがり  小池照江
十月  雲が描く地図になき地図夏の空   野見山智子
十一月 訪ね来し人に牧の香夜の秋     大西保雄
十二月 秋の蝉落ちて大地を知りにけり   江上貴善