作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成20年

一月  月明に無聊なぐさむ案山子かな   満田たけを
二月  魂を拾ふごとくに茸狩       山﨑ひらら
三月  流木に座し冬海を航く思ひ     葵 瓔子
四月  寒雲の動かざる富士動かざる    斎藤照子
五月  海峡に雪ふる雛のまつりかな    手柴由美子
六月  ふらここやときどき空の遠くなり  秋山珠美
七月  ささくれの寺の回廊花の塵     島川芳子
八月  傀儡か熊谷草か闇揺るる      渡辺三一子
九月  萍や見ゆるあしたと見えぬ明日   濱本千惠子
十月  鍬を持つ汗に生まるる一詩かな   濱 佐文
十一月 若冲のにはとり奔る初嵐      高野さちこ
十二月 渡り鳥五千石忌をまた重ね     三井 鐸