広島ランブル俳句会

一月　　鰯雲映して心広き湖　　　　　　　　　橘高吏美
二月　　白鳥湖調弦のごとさざめけり　　　　　月野木潤子
三月　　十二月八日の海の怒涛かな　　　　　　荒木幸子
四月　　肩車して父と子の初御空　　　　　　 濱本千恵子
五月　　太宰似の顔深々とマフラーに　　　　　望月延子
六月　　弾まねば春の水音とは言えず　　　　 三浦文子
七月　　雲退けば幕上がるごと山桜　　　　　　淵田郁子
八月　　風鈴のときどき独り言をいふ　　　　 高橋松月
九月　　蟻走る一匹走る太宰の忌　　　　　　　灰谷悠太
十月　　ふたたびは登ることなしケルン積む　　大西保雄
十一月　中尊寺青葉明りの浄土かな　　　　　　三神　武
十二月　さざなみを張つて山湖の秋の風　　　　林　美恵子