作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成25年

一月  人生に余白などなし神の留守   いなさ湖六
二月  父の忌や冬田の果てに日を沈め  桑原康郎
三月  漱石と同じ父の忌しぐれけり   福沢 勉
四月  買初や(すゑ)の白蛇のひと握り    西尾智美
五月  玉砂利に日の一つづつ春動く   望月延子
六月  命とは柔らかきかな猫柳     上岡恵子
七月  これ以上反れぬ城垣花明り    小松和子
八月  耳立てて水の私語聞く水芭蕉   森 孝枝
九月  夏帯をぽんと叩いて米寿かな   長島ちよ
十月  ひたぶるに噺編みあぐ蜘蛛の糸  杉浦冴栄
十一月 色鳥や会はねば人の遠くなる   斎藤登志子
十二月 秋灯や母待つ子らに守りの嘘   蔭山雅代