作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句平成30年

一月  爽やかに風に奥行ある故郷    森 孝枝
二月  色変へぬ松千本の風の音     葵 瓔子
三月  飾売り今年の声を使ひきり    清水葉子
四月  良寛忌夜は凍み晴れの星つぶて  仲川 昱
五月  浮雲は空のゆとりや麦を踏む   児玉苦楽
六月  拗ねてゐる子供のやうに残る雪  中村梨枝
七月  のどけしや風を相手の舫ひ舟   濱本千恵子
八月  麦秋や穂波に溺れゆく夕日    いもがらぼくと
九月  冷麦や縁より上がる里の家    山本欣子
十月  落つるとも昇るがごとし神の滝  野上マチ子
十一月 桃の実や抱かるるための赤ん坊  川島ちえり
十二月 里ごころ彩にでにけり吾亦紅   渡辺春菜