作品集

Selection

これまでに生まれた名句の数々をご紹介します。

結社誌「ランブル」巻頭句令和2年

一月  蟷螂の覚悟の背の土の色       寺林留美子
二月  流木にはるかなるこゑ冬渚      宮南幸恵
三月  段段に寒林の影踏み登る       金子千洋子
四月  打たれては雨滴挑ぐる水仙花     菊池尚人
五月  段畑の一段ごとにある余寒      谷村睦子
六月  竜天に昇る欄間の雲を出で      大山知佳歩
七月  花吹雪五重塔をふくらます      田中義孝
八月  雛罌粟は風の申し子風を呼び     安寿 文
九月  噴水の真中に風の柱あり       𣘺本奈美
十月  紙縒上手の父の想ひ出星祀る     田村つね子
十一月 八月や炎が顔の閻魔像        灰谷悠太
十二月 兎小屋まで飛んで行く子ら野分かな  月野木潤子