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学びの部屋
Tips当季
句会に出ると、当季、という言葉が使われます。
今の季節、という意味です。句会日が、旧暦でどの季節にあたるか、を意識します。
例えば令和5年度だと、立春が2月4日、立夏が5月6日、立秋が8月8日、立冬が11月8日ですから、
2月4日~5月5日は「春」
5月6日~8月7日は「夏」
8月8日~11月7日は「秋」
11月8日~2月3日は「冬」
となります。
句会の日がどの季節にあたるかを意識して、そこから遡ってだいたい1ヶ月ぐらいの句を、句会に持ち寄ります。
あんまり季節外れの句が出てくると「当季を意識してないね」という指摘を受けてしまいます。
特に広島ランブル俳句会は月の初めに句会を設けていますので、季節の変わり目に当たることが多いのです。
新暦と旧暦のギャップ、さらには昨今の季節の移ろい方の変化に、対応がなかなか追いつきませんが暦をよく確認しましょう。
俳句は挨拶、という言葉もあります。
季節毎に、読み手を惑わせることのないような季語選びを心がけたいですね。
なお、俳句では「新年」という特別な季節もありますが、こちらは1月1日~長くて1月いっぱいぐらいでしょうか。
明確には言いにくいところがありますが、さすがに2月の句会に新年気分の句は出せません。
使おうとする季語が、どの季節の季語かについては、歳時記でしっかり確認する必要があります。
例えば、次に挙げる季語は、いつの季節でしょうか。今一度、引いてみてください。
麦の秋
朝顔
西瓜
牡丹雪
夜の秋
竹の春
有季定型
俳句の世界でのみ使われる四字熟語。
意味は、読んで字のごとく、「季節(季語)が有り、五七五の定型に整える」ということです。
1句の中に季語を1つ入れるのがルールです。
季語が2つ以上入ると、「季重なり」と指摘されてしまいます。季重なりが全て禁じられているわけではありませんが、余程の理由が無い限り、避けた方が良いとされています。
わずか17音、10文字程の中に要点が2つも3つもあると、落ち着きませんからね。
季語のもつ力を信じて、一つ一つの言葉を大切に扱ってあげたいものです。
ただ、そもそも、その言葉が季語だと認識できていなければ、意図しない季重なりが発生してしまう可能性があります。
句ができたら、その中に使われている言葉を、いちいち歳時記で確かめてみるとよいと思います。
例えば、こんな言葉も季語になっています。
風船(春)、ハンカチ(夏)、相撲(秋)、竹馬(冬)
他にも、歳時記を引くと、これも季語だったのか、と意外に思える言葉が見つかります。
ぜひ歳時記をめくってみて、いろいろ探してみてください。
何故、季語になっているのか、歳時記の解説を読んでみると、面白い発見があるはずです。